万葉植物園から

 KSCCの門をくぐると右手に長く伸びる万葉植物園。「杉並百景」にも指定されているこの植物園を中心に、クラブハウス周辺の敷地に植えられた草木のお世話と周辺の美観保全をしてくださっているのが、山桑の会の皆さんです。
 会の名称の由来にもなったシンボルツリーが、クラブハウス正面、藤棚のさらに西側にある桑の木。今年の夏、この桑の木にある事件が発生しました。【写真1 桑の木】

 「7月頃なんですが、どうも樹勢がよろしくなくて、見ると虫食いの跡があったんですよ」と、会員の竹下さん。【写真2 虫食いの跡】
 杉並区の樹木医に診断してもらうと、「トラフカミキリ」という耳慣れない名の虫によるものだと分かりました。見た目はまるでスズメバチのよう、カミキリムシには見えませんね。そして耳慣れないのもそのはず、このカミキリムシは現在、東京都の「準絶滅危惧種」に分類されているのだそうです。【写真3/4 トラフカミキリ成虫/幼虫】

 ムシの絶滅は避けたい、一方で桑の木も守りたい。学校内なので農薬等も使用できず、たどり着いた解決法は植物由来の「森林恵」という防除剤。【写真5 植物由来防除剤】
 「ヒバの樹木から抽出した油を、カミキリが穴をあけて住み着いた穴に塗布して、樹木が枯れるのを防止しました。この油は虫が嫌うので、害虫を寄せ付けない効果があると言われています」とおっしゃるのは代表の西崎さん。
 弱った樹勢を回復させるために剪定すると共に、週一回たっぷり水をやり、桑の木からはいま、新芽が元気に伸びているそうです。【写真6 山桑の新芽】

 山桑の会の皆さん、暑い中での作業で木を守ってくださって、ありがとうございました。