万葉植物園から(3)ビオトープの仲間たち

「そぉ~っとのぞいてみてごらん♪」

 KSCCクラブハウスの前にあるビオトープを覗いてみたことがありますか? その前に、皆さん、「ビオトープ」って何かご存知ですか?
 「ビオトープ」とは、ドイツ語で biotop、英語では biotope(“バイオトープ”)といい、語源はギリシャ語の「bios=生物・生命」+「topos=場所」。ある場所(環境)に生息する動植物をまとめて呼ぶ言葉だそうです。

 小学校などで作られる「ビオトープ」は、子どもたちが自然の動植物と触れ合う機会を持てるようにと、生き物が自立して生きていける小さな環境を再現したもので、大抵は様々な植物と小さな池が組み合わされているようです。限られた敷地内で作られることが多く、作りっぱなしでは荒れてしまいますから、誰かがお世話をしなければなりません。「ビオトープ管理士」という資格もあるのだそうです。

 クラブハウス前のビオトープも、万葉植物園の「山桑の会」の皆さんがお世話してくださっていて、小さな“池”(容器で作られたもの)がいくつかあります。いろいろな水草や水辺の植物の下にはメダカがいて、春には赤ちゃんがたくさん生まれました。「そぉ~っとのぞいてみてごらん♪」と、覗き込んでみると、メダカたちが元気よく泳ぎまわっています。また、別の池にはヌマエビという淡水に棲む体長数センチくらいの可愛らしいエビもいるのだそうです。

 「でも、メダカにはピンクのが混じってしまっているんだよ」と、山桑の会の竹下さん。日本に元々いる野生のメダカにはピンク色のものはいません。ピンクのメダカは外来種か、あるいは改良されたものとのことですが、「どうやってここのビオトープに入り込んだんだろう・・・?」と竹下さんは首を傾げておられます。
 井の頭公園の池などにも、外来種のミシシッピアカミミガメが大量にいたりするというので、ある意味、日本の環境問題の縮図なのかもしれませんね。色はともかく、メダカもヌマエビもとても可愛いので、覗きに行ってみてはいかがでしょうか。